インドな彼と恋におちたら, インドネタまとめ

ダーリンはインド人ゲームデザイナー/About Indian game industry


最近インドへの投資の話が尽きませんね。

ソフトバンクが投資してからEC周辺投資に関しては調べてまとめている日本人が多いので、わざわざここでは言及しませんが、最近まぁ情報が入門編としてまとまってるなと感じたのは下記です。興味がある方はどうぞ。
PCW:ecommerce(インドEC周辺全般)のレポート
Nascom:10000startups.com(インドのスタートアップの現状)レポート
BAIN&COMPANY:India Private Equity Report 2015(インドPE、VCの現状)レポート

 

投資額やバリューは毎日変化してるので細かい数字は日々のニュースなどで要チェックです。
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ということで、EC周辺は他の方に任せて他の業界について書きましょう

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インドでは2015年末までにインターネットユーザーが4億ユーザーに到達し、米国を抜いて中国の次にネットユーザーの多い国になると予想されています。現在、中国のネットユーザーは6億ユーザー。現在のスピードで成長すれば中国にも数年で追いつくだろうと注目を集めています。(IAMAI

スマートフォンユーザーに関して言えば2016年には2億ユーザーに到達すると予想されています。ちなみに中国は約5億ユーザーなので、これからのインドの伸びにも期待できそうですね。

 

そこで今回お話ししたいのが、インドのゲーム業界の話
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ゲームデザイナーのShailesh(シャレッシュ)、彼はムンバイベースで8年間ゲームの受託から自社開発までを行うゲームスタジオ「Yellow Monkey Studio」を運営しています。おそらくインドのゲーム業界では良い意味でも悪い意味でも超有名なゲームデザイナー。スマホ、3DS、プレイステーションなどコンソール問わず開発しています。米国、北欧、ヨーロッパ、中東などのゲームイベントでスピーカーとして登壇することも。(こんなにヒゲもじゃなのに、まだ33歳!)

 

では、彼の話とともにインドのゲーム業界を6つのステップでみていきましょう。
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1、インドのゲーム業界史

これまでインドは欧米系のゲーム制作会社や出版、映画系のアウトソーシングを長らく受けていました。特にインドでは人件費が安く、技術が高いと評価されるグラフィック制作作業工場のような感じでした。そこに刺激を与えたのが欧米の独立系のゲーム会社。アングリーバードドゥードルジャンプ、最近ではクロッシーロードなどのヒットを生む小さなスタジオにインドの才能ある若者が刺激され、成長しているというのが現状です。受託ではなく、自分たちの本当に作りたいゲームを作る!という動きがここ2年ほどで活発になっています。
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2、欧米的なスタートアップ文化

またゲーム開発者を勇気づけているのが今のインドのスタートアップ文化。欧米的な感覚でスタートアップが次々と出てきています。ECのフリップカートが成功してる、スナップディールも数億円調達!「じゃあ僕達もゲームで成功しようよ!やってみようよ!」というノリです。そもそもインドの社会文化背景的には起業などは結構人生において大きなリスクとみなされていたようなのですが、ここ数年の欧米的なスタートアップ文化が流れ込んできてくれたおかげでだいぶ若者の意識が変わったようです。
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3、ゲームのカンファレンス

年間世界4カ国で開催されている『ポケットゲーマーコネクト』というゲームのトレンド牽引するカンファレンス。ロンドン、サンフランシスコ、ヘルシンキ、バンガロールの4都市で開催されています。すでにMicrosoftやグーグル、アマゾンなどの巨大起業も参加し、才能ある若者を探すと同時に、若者も自分たちのゲームをピッチし世に出すコネクションをつなぐ場でもあります!この他にもNASSCOMが主催するインド最大の『NASSCOMゲームディベロッパーカンファレンス』は今年はプネで盛大に海外のゲストも呼んで行われていました。ちなみに来月はトリヴァンドラム(かなり南インドのリゾート地)でインディーゲームのイベント『INDIE GAME SHINDIG』も行われます。

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4、インド市場向けだけではない

シャレッシュ曰く「Unityや開発ツールの進歩により、どんなスタジオでもゲームの品質を世界水準で作ることができる。だから別にインド人に向けて作るかとか、どこの地域を狙うかとかそういうことではなく、グローバルに向けたゲームを作っている」といつも語っています。彼自身も受託やアドバイザーをやりつつ自社ゲームを2人で作っています。普通に考えれば彼らは英語で開発しているので、ローカライズすることなく欧米ユーザーにリーチすることができます。彼らのゲームDL数は70%が米国から。20%がヨーロッパ。インドに至っては1%となっています。インドからのDLが少ない理由としては、ゲームユーザーが他国に比べて未熟だからとのことですが、キャンディクラッシュレベルまで簡単になればユーザーはもっと増えるという見解です。ではYellowMonkeyStudioのゲームをご紹介!

 

▼Socioball

配信:2015
タイプ:パズルゲーム
ユーザー:500,000+
フィーチャー:AppStoreとPlayStore国際版
– iOS無料
– Android無料・広告有
評価:4+/5
metacritic 79/100

iOSはこちらからDL
AndroidはこちらからDL

▼HUEBRIX

配信:2012
ユーザー:1,500,000+
フィーチャー:AppStoreとPlayStore国際版
– iOS無料
評価:4+/5
metacritic 76/100

iOSはこちらからDL

 

5、インドユーザーも育てる

いくらインドはネットユーザーが多いからとはいえ、全員が日本や韓国のようにゲームを小さな頃から買って楽しむというゲーム教育がなされてないため、全体的に見てゲームに対する課金概念やゲームリテラシーが低いのが現状です。インドで誰もが知っているスマホゲームといえば、アングリーバード、キャンディクラッシュなどの誰でもあまり頭を使わずに時間を潰せるカジュアルゲームがメインで、あとはポーカーゲーム系がメインです。今後はインドユーザーも育てるため、クリケットのワールドカップとタイアップしたゲームや、ボリウッド映画とのコラボゲームを作っていこうとしている大きなゲーム会社も出てきています。現状、Ubisoftはプネのスタジオに300名以上の社員を抱えています。Zingaは「ファームヴィラ(牧場育成ゲーム)」のアップデートをするオフィスがバンガロールにあります。ソフトバンクも投資したメッセンジャーアプリHikeの傘下にはインドのゲーム会社Tiny Mogul Gamesが置かれています。

アングリーバードのRovioに至っては、「積極的にゲームの中にインド文化を取り込み地元の人よりもローカルゲームを作りたい」と言っています。日本でもズーキーパーを改造した日本ローカル向けのアングリーバードファイトKITERETSUと作成していたので、インド向けのゲームを作りたいというのはあながち嘘ではないかもですね。
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6、インドゲーム市場の課題と解決策

ではインドユーザー向けにすごくいいゲームを作っても、儲けるための障壁がまだいくつかあります。まずは、クレジットカードの普及率が8%とかなり低いこと。またインドの90%のユーザーがモバイルの支払いがプリペイドである為、欧米式のゲーム課金がシステム的に困難であること。そしてスマホユーザーが増えているとはいえ、まだ2Gや3Gのエリアも多く、いちいちローディングするゲームだともう一生ローディング終わらないんじゃないかという勢いです。これではゲームができません。また所得が低い人たちに対して海外のユーザーと同じだけ課金させるのは現時点では現実的とは言えません。

解決策

1、アップルとグーグルが価格構成をインド向けに調整し、キャリア課金に変更する。ちなみにプレイステーションのプラットフォームではインド(リージョン毎の金額設定)であれば他エリアよりも安く買えるタイトルもあります。
2、もういっそのこと全てのゲームを無料にして広告を入れまくって収益を生み出す
3、サードパーティのモバイルウォレット(決算システム)を展開するpaytmMobikwikも安心して課金できるメソッドを提供できるはずです
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インドのゲーム業界は現状このような形のトレンドがあります。またアップデートがあれば書こうと思います。
インドのゲーム制作会社、ゲーム業界などに興味のある方はご連絡ください。

 

みんなゲーム買ってね!

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*この記事はシャレッシュへのインタビューとインドのこの記事をベースに加筆し翻訳されています。
Souce:http://www.theguardian.com/technology/2015/apr/22/indian-game-developers-disney-rovio
Interview:Shailesh, CEO of Yellow Monkey Studio